世界のIT産業
国別情報サービス市場
世界の情報サービス市場は、世界情報サービス産業機構(WITSA)の「Digital Planet」によると、2012年の世界ICT市場は4兆4千億ドルに達する見込みです。国別のシェアは、欧州29.7%、アメリカ27.3%、中国11.0%、日本8.7%となっています。[図表1]
[図表1] 世界の情報サービス市場(2011年見込み)

- ※資料:Digital Planet 2011 (WITSA)
世界の情報サービス市場は年々拡大を続けています。アメリカ、EU、日本などIT先進国のみならず、インド、中国、東南アジア、南米などのIT新興国の発展も注目されます。 2007年の世界市場の成長率は3.5%(対前年比)でしたが、2011年まで年々高まっていく予測があり、特にアジア地域の発展が大きいことを示しています。[図表2]
[図表2] 世界のICT産業の売上高の推移(2003-11年)

- ※資料:Digital Planet 2008 (WITSA)
IT新興国の状況と日本からの海外アウトソーシング(オフショア開発)の状況
中国やインドなどこれからIT立国を目指す国々では、海外からソフトウェア開発業務を請け負う「オフショア開発」を積極的に実施しています。 オフショア開発では、多くの場合は賃金格差によるコスト削減を目的としています。しかし、中国やインドの技術者のレベルが世界基準になっていくとともに、発注側(日本側)と受注側(インド、中国) でスキルレベルが逆転することもありえます。中国やインドのIT業界の指導層は、シリコンバレーなどで鍛えられた人材が多く、非常に高いITスキルを持っている人材も多くいます。 むしろ中国やインドにいる優秀な多くのITエンジニアのパワーを今後どう活用していくかが課題にもなっています。[図表4]
[図表3] 日本におけるオフショアの将来推計(推計基準ベース)

- ※出所:JISA,JEITA,JPSA「2005年コンピュータソフトウェア分野における海外取引および外国人就労等に関する実態調査」、IPA「IT人材白書2011」
「ブリッジSE」というチャンス。国際派が求められている。
高度なIT技術者を中心とする人材不足は、日本に限らずアメリカやEU諸国でも問題となり、国際的な労働移動による労働市場のグローバル化が進行しています。 特にインド、シンガポール、中国、韓国などアジア各国では、国家政策としてIT技術者の育成に取り組み、システム工学やコンピュータ工学など専門的なIT 教育を受けた人材を 急激に増やしました。 かつては、アメリカ西海岸や日本に人材を送り込むケースが多かったのですが、最近では、受注した案件を自国で開発する形態が多くなっています。 アジア各国でも、日本語のわかるSEの養成にも積極的に取り組んでいます。
こうした動きを受けて、日本ではe-Japan構想により高度IT関連技術者の積極的な 受入れを図り、情報処理技術者試験制度と各国のIT資格制度との相互認証を進めています。
世界的なIT人材供給の展望
世界のITエンジニアの状況を見てみます。まず日本では、2005年に情報工学系を卒業した学生は22,000人でした。一方、中国やインドでは、 2005年単年度で既に30万人位の卒業生がいます。 中国やインドの学生は、日本と比べて理工系の人数が圧倒的に多く、その中でもIT専攻者数が多い特徴があります。そして、30万近い情報工学系の卒業者が毎年送り出されています。
さらには、2015年における国別のITエンジニア数の予測では、中国とインドでそれぞれ300万人を越えると見られ、これら国々のITパワーが今後わが国に影響してくるか注意深く見ていく必要があります。 [図表6]
[図表6] 2015年における国別のITエンジニア数の予測

- ※出所:米国・英国は(株)野村総合研究所調べ、日本は「特定サービス産業実態調査」、文部科学省「高度情報通信(IT)人材の育成に向けた
文部科学省の基本戦略」、 インドはNASSCOM "Press information note"、中国は情報サービス産業協会調べ
関連リンク:IT産業の動向 , 情報サービスの仕事と人材