

一般社団法人情報サービス産業協会JISAの人事・雇用分野の活動を統括する戦略広報委員長である神山茂副会長が情報サービス産業の魅力と人材について語ります。

新しい技術やサービスが次々に生み出され、それが世の中で活用されるようになるという『変化の速さ』がこの情報サービス産業の特徴的なところです。 成熟産業のようにひとつところに留まっているということがないのです。 変化に対応していくことは大変である一方で、小さな会社でも急激な成長を遂げるチャンスが大いにあります。 こんなに面白い産業はないと思います。

わが国経済では長引く景気低迷からの再生が課題となっています。そのためには社会構造、企業活動、市民生活、すべての局面でITによるイノベーションが重要になります。 そして将来の日本を展望するキーワードとして「世界の中の日本」という考え方が大切になります。 われわれ産業が提供する情報システムもグローバル標準との調和を前提として、 顧客企業の生産性拡大や業務効率向上に真の意味で貢献していかなければなりません。 そのためには業界各社が世界を舞台に活躍する「国際優良企業」を目指し、 ますます切磋琢磨していくこと必要になり、それが情報サービス産業の魅力をいちだんと高めていくことにもなります。

業界各社が国際優良企業を目指すうえで重要であると考えるポイントを5つ挙げます。
第一は「経営者の経営哲学」だと思います。もとより企業経営は、経営者の私利私欲を満たすためのものであってはなりません。 利他的な立場に立ち、 ステークホルダー(企業活動にかかわるあらゆる関係者)を豊かにすることを目標に掲げることが求められます。 もちろん社会や地球環境に貢献していく姿勢も不可欠となります。
第二は「財務内容」だと思います。特にソフトウェア・サービスの価値を社会に正しく認識してもらい、知的財産としてこれらを重視する環境づくりは重要になります。 われわれ情報サービス産業も自らの創造する成果物を大切にし、低価格化競争に陥らず、優良企業を目指すために財務健全化は絶対の必要条件になると思います。
第三は「グローバル取引の拡大」があります。 現時点では世界に向けた日本発のソフトウエア・サービスは少なく、日本の市場においては、 OSや業務用基幹ソフト等において海外製品が圧倒的に多い状態が続いています。 一方、情報サービス産業の場合は、ソフトウェアの海外アウトソーシング(外注もしくは調達)などに留まり、 海外からの売上は多くはありません。 しかし、情報サービス産業は、装置産業である製造業と違い、たとえ中小規模の企業であっても、ニッチな分野でユニークな付加価値の高い ソフトウェア・サービスを提供すれば十分に勝ち目はあります。 正にそれが情報サービス産業の利点でもあります。実際に海外進出して成功を収めている企業や海外の特徴的な技術を持つ企業を買収し 企業力アップを実現している企業もあります。
第四は「技術」です。世界市場で戦っていくためには、最先端の技術に磨きをかけ、新しいビジネスモデルを発信していくことが不可欠です。 日本の情報サービス産業はもともと、 品質の優れたソフトウエアを作り込む技術は世界的にも圧倒的な強みを持っています。 それに「アイデア」を加えたクリエイティブな部分での技術開発に力を入れる必要があります。 現に国際特許を取るような新技術を生み出す企業も続出しています。
第五は「人材」になります。国内の人材を採用・育成していくことは当然のことです。 さらには優秀な人材を世界中から採用することも重要になっています。 これにより大学などにおける情報教育にも好影響を与えたり、国内のエンジニアたちにも良い刺激となり、より人材の質を高めることに繋がっていくと考えています。

今後、情報サービス産業で求められる人材の資質について、次のように考えています。 情報システムに関する技術は変化が速く、多数の人との連携によって構築されていきます。 従いまして、能力のベースとして「情報収集力」と「コミュニケーション力」の必要性を強く感じています。 その上で、何よりも大切なのは「チャレンジ精神」であると思います。 変化の激しい情報サービス産業では、既存のポジションに安住するのではなく、積極果敢に新しいことに取り組んでいくチャレンジャーであり、 オリジナリティの高い技術やサービスを 開発できる創造力を備えた人材であって欲しいと思います。情報サービス産業では、やればやっただけ自分に返ってきます。 若い皆さんの頑張りを裏切ることはありません。 ソフトウェア開発は、目に見えないものを複数の技術者がプロジェクトチームで作りあげていきます。 作業の進捗管理や製品の品質管理が難しく、個人の経験・ノウハウに依存する 傾向が強という特性があります。 ソフトウェア開発プロジェクトの成否はそこに参加する人材のスキルが鍵となります。
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