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企業一覧(JISA会員企業)


情報化社会の進展

情報化社会とは

コンピューターによる情報システムの利用が広く市民生活や企業活動に浸透した社会を「情報化社会」といいます。今日、情報システムは、私たちの生活にとって無くてはならないものであり、暮らしの様々な場面で情報システムが活用されています。そして、情報化社会には更なる可能性があります。情報システムの活用は、少子高齢化社会に豊かさと調和をもたらし、グローバリゼーションと地域固有文化の伝承を両立させ、未来にかけがえのない地球環境を残し伝えていくことにもその力を発揮します。

ユビキタス社会

私たちは一日の生活の中で何度も情報システムに触れています。例えば、携帯電話でメールの送受信をする、電車の自動改札を使う、銀行でATM(自動支払い機)で預金を下ろしたり現金を振り込んだりする、カードで支払いをする、インターネットで買い物をする、その他にも生活のあらゆるシーンで情報システムを活用しています。このような「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークに簡単につながり、情報システムが日常生活の隅々まで普及し、簡単に利用できる社会をユビキタス社会とも言います。[図表1]

ユビキタスの意味は、ラテン語で「いたるところに存在する(遍在)」という【ubiquitous】を語源とします。ここから、誰でもがあまねく情報システムを活用できる環境をユビキタス社会と言われるようになりました。

[図表1] ユビキタスネット社会とそれを支えるICT産業の構造

※資料:総務省「u-Japan政策~2010年ユビキタスネット社会の実現に向けて~」(2004.12)

情報化がもたらすもの

情報化によって私たちの生活はどの様に変わるのでしょうか。今日の豊かな社会を歴史的な変遷のなかで見てみると、「農業の時代」から「工業の時代」へ、そして「情報・知識の時代」といった大きな社会の変化が見えてきます。農業の時代では土地をもとに作物を生産することを社会の基本としてきました。そして 18世紀の産業革命により工業の時代が始まると、資本設備をもとにモノ(製品)を製造・流通させることが社会の基本となりました。そして情報・知識の時代では情報システムにより知的財産や様々な知恵やノウハウを創造し共有しそれを活用する社会が実現しようとしています。言い換えると、機械化が労働の代替を目的としたのに対し、情報化は知的活動の代替を目的とし、世界はまさに知識集約型の社会構造に変化してきています。[図表2]

[図表2] 情報化による社会の変化

※資料:総務省「平成19年版 情報通信白書」よりJISA作成

情報化の本質

また、情報化には「効率化」と「ボーダレス化」と「中抜き化」といった本質があります。効率化には、経済におけるスピードアップを実現する時間的効果、コスト削減を実現する資源的効果があります。ボーダレス化には、企業、産業、行政組織、国境の垣根を壊す効果があります。中抜き化には、生産者と消費者が直結することによる産業構造の中抜きと中間管理職の役割を変える組織構造の中抜きを起こす効果があります。

しかし、このような情報化の効果を知り、それを戦略的に活用することにより、企業の競争力強化、経済構造改革、行政改革が実現されることが情報化の本質でもあります。 情報化は21世紀の国力の基礎となります。


企業における情報活用

情報システムの構成

今日の企業活動は情報システムを抜きには成り立ちません。情報システムの構成は、ブロードバンド回線など通信インフラとコンピューターや周辺機器によるハードウェアによる物理的基盤部分があります。近年これらはより高速・大容量になってく一方で更なる低価格化も進んでいます。もはや情報システムを構成するハードウェアは私たちの生活の中では日常品のような存在になっています。(コモディティ化)

情報システムでは物理的基盤部分のうえで様々なソフトウェアが動き、情報システムの機能を実現しています。例えば、製造業の調達システムや製造管理システム、金融業の決済システム、行政機関の電子政府や住民基本台帳、流通業の受発注システムなどがあり、これらはある目的のために作成されたソフトウェアとしてアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)と言われます。[図表3]

[図表3] 社会とITをつなぐ「情報サービス産業」

※資料:JISA「情報サービス産業の人材戦略に関する提案」より作成

クラウド・コンピューティング

従来より情報システムを利活用するユーザー(企業、個人など)は、ハードウェア(コンピューター)、ソフトウェア、データなどを自分自身のサーバーやデータセンターなどで保有・管理していました。
この頃には、企業間やコンピューター間のデータ交換は主にデータセンターからネットワークを介して行ってきました。
 近年、ネットワークの高速化と低価格が進み、複数のサーバーを集約する仮想化技術が進展し、分散処理がより高度になり、大量データを処理する巨大なデータセンターの運用・管理に関する技術やノウハウが高まってきました。
 そこで今日では、従来データセンターで保管していたハードウェア、ソフトウェア、データを自らが保有・管理することなく、インターネットを介して仮想の巨大データセンターが提供するサービスを利用できる環境が整ってきました。
このような新たな環境の利活用をクラウド・コンピューティングと言います。
 クラウド・コンピューティングのサービス形態には、インターネット経由でソフトウェアパッケージを提供するSaaS(Software as a Service)、インターネット経由でアプリケーション実行用のプラットフォームを提供するPaaS(Platform as a Service)、インターネット経由でハードウェアやインフラを提供するHaaS(Hardware as a Service)またはIaaS (Infrastructure as a Service)などがあります。
 クラウド・コンピューティングの利点としては、自前でシステム構築や運用をしないため大幅なコスト削減ができること、事前に用意された環境を利用することによる開発期間を短縮できること、データ量の増減に早く安く対応できることなどがあり、ITに多額の投資を出来ない中小企業、業種・業界で共通的な業務処理を行う分野など、クラウド・コンピューティングへのニーズは高くなると予想されています。[図表4]

[図表4] クラウドコンピューティングについて

情報システム活用

企業では業種や業務内容に応じて様々なアプリケーションソフトウェアを使った情報システムを活用しています。しかし、情報システムの活用度(活用レベル)は企業規模やビジネスモデル、さらには企業の収益などによって大きく異なります。

経済産業省の協議会では、かつて「IT化ステージ」という情報システム活用のモデルをまとめました。ステージ1は「ITを導入するが活用できてない状態」、ステージ2は「ITの活用により部門内の業務を改善できている状態」、ステージ3は「IT 活用により経営と現場が直結した企業全体で効果を生み出している状態」、ステージ4は「IT活用により企業と企業(企業の顧客や取引先等)とのあいだで効果を生み出している状態」と定義しています。[図表5]

[図表5] 企業の情報システム活用の段階(IT化ステージ)

※資料:経済産業省、電子商取引推進協議会、野村総合研究所 「平成14年度我が国企業のIT化に対応する企業経営の分析」

このモデルにより企業でのIT化レベルを調査すると、ステージが上がるほど「経営者の迅速な業績把握」「経営に影響を与える出来事への迅速な対応」「経営者と社員の価値共有・意思疎通」「全社的な情報共有」「取引先との関係の適正化」が出来ている傾向がありました。その結果、スピード経営、組織改革、マーケティング重視、自社の競争力向上を実現できている割合が高くなっています。また、ステージが高いほど業績(特に収益性)が高いことも明らかになっています。

情報化投資の動向

情報システムには企業や国家の競争力を支える重要な役割があります。近年、アメリカのサブプライム問題に端を発した金融危機が世界経済に大きな影響を及ぼしました。しかし、それ以前のアメリカ経済は積極的な情報化投資を行い、国際競争力を高めてきました。

1995年代以降のアメリカと日本における情報化投資の推移を比較して見てみると、1985年から1990年代前半まで日本の情報化投資はGDPの伸びと一致して急成長しましたが、その後1995 年から2000 年の情報化投資の伸びはアメリカが日本を先行しました。次の2000年から2005年の5年間は、やや日本の方が伸びていますが、2006 年以降は、日本の情報化投資の伸びに対し、米国の伸びの勢いが優る傾向が続いています。2008 年~2009 年にかけてのリーマンショック時には、日米とも一度投資の伸びはマイナスとなり2009~2010 年にかけて再びプラスに回復しましたがアメリカの方が回復が速やかな様子です。[図表6]

情報化投資は、先のIT化ステージにも示したように、活用する企業や社会のIT化成熟度によりその効果の現れが違ってきます。日本でも社会や企業のあり方や構造を見直し、情報システムをより有効に活用することにより、経済の立て直しや国際競争力の向上を実現する余地が大いにあります。それを実現するのが私たち情報サービス産業です。

[図表6] 情報化投資額推移

資料:「ICTの経済分析に関する調査」